Field & Technology 〈技術情報〉

サッカー場 施工実績一覧
近年のサッカー人気から、かなりの数の専用球技場建設に携わって参りました。
一般的にフィールドの舗装は、クレイ系、天然芝、ロングパイル人工芝等が使用されていますが、国際試合や全国レベルの試合及びJリーグの試合には天然芝が用いられます。

専用競技場は、臨場感や一体感などサッカーを行う側、見る側の双方にとって非常に良い面が多々ありますが、サッカーだけでは施設運営面で利用者数がまかなえないことや日本独特の面積が少ないなどの点から、まだまだ単独の専用球技場としてつくられる例は、他のスポーツ施設に比べれば少なく、陸上競技場のインフィールド・多目的運動場・学校運動場の中でプレイされることが多いのが現状です。

それだけに、それらの施設とのスペース併合を考慮したケース・スタディは数多く、より快適なサッカー場建設の提案をさせていただきます。
サッカー場建設の現況
サッカーの公式試合のサイズは105m×68m、ミニサッカー場(主に東京都少年サッカー連盟が試合を行うもの)は70m前後(90m※)×42~57m(45m※)ですが、実際はその敷地に合わせたサイズにすることが多いです。

※( )内は正式ミニサッカー場の寸法



路面の種類は、大きく分けてクレイ系舗装、天然芝、人工芝の3種が一般的です。

それぞれに特徴がありますが、国際試合や全国レベルの試合及びJリーグの試合では、天然芝が用いられます。

また近年では、サッカーは雨天でも試合がおこなわれるために、天候に左右されず、安全性が高く、天然芝に近いと言われているロングパイル人工芝が普及しており、施設の稼働率向上や管理コストの削減を図るケースが見られたり、(公財)日本サッカー協会では独自の基準値を基に製品ラボテストとフィールド検査による公認制度が設けられています。

また、雨天だけに限らず積雪にも対応しており、寒冷多雪地域にも広く普及しています。

クレイ系コートから人工芝を導入した施設からは、「以前と比較して、砂塵の解消や夏季の温度上昇の軽減、怪我のリスクの軽減により競技力が向上した、体への負担が少なくなった」などのお声を多数いただいております。

現在は、水たまりや乾燥後の砂ぼこり、表面の凸凹などが懸念されるクレイ系舗装がサッカー場として使用されることは少なくなってはいるものの、多目的運動場や学校運動場など他競技と兼用する場合に使用されることがあります。

また、サッカーに限らず、最近ではコートサイズが40m×20mと比較的小さく、手軽に始められるフットサルの人気が高まっていることにより、フットサル場の建設も年々増えてきています。
 
クレイ系舗装の自然現象による表層への影響
■ 雨 : 表土の流出、表層硬度の低下など
■ 風 : 表土の飛散、周辺への砂塵公害など
■ 霜凍上 : 表層硬度の低下、中層材料の表層への侵入など

施設は、利用頻度や経年により機能が低下していくことは否めないことであり、特に屋外施設は絶えず雨風などの自然現象にさらされているため、状況を適切に把握し、適切な整備と定期的な維持管理が必要となってきます。
 
“都市部”での推薦工法
立地条件により、近隣への砂塵問題を考慮する場合は、ロングパイル人工芝を推奨致します。

多種目の競技や施設ごとの要望に応えられるように芝(パイル)の長さ、形状などが異なる多様なバリエーションの製品があることに加え、天然芝に近いプレイングクオリティーを有し、降雨後の使用が即可能、利用可能時間の向上も見込めるなどのメリットもあります。

下地を従来のアスファルト舗装ではなく、「透水性保水型改良工法」(石灰ダストに土壌改良材を混合することにより、アスファルトより軟らかい、透水性をもった下地舗装)を採用することで、ヒートアイランド現象抑制にもつながります。

近年では、ロングパイル人工芝の下地にアンダーパットを設けることにより、クッション性等を向上させて、より高いパフォーマンスを発揮できるようにされている施工も増えてきています。

ロングパイル人工芝の寿命は約8年から10年と言われておりますが、特に使用頻度が高い大学をはじめとする学校施設では、5~6年で張り替えるケースも見受けられます。
 
工期・注意点
工期は約2ヶ月~3ヶ月となります。(散水、排水、囲障、付帯施設は含まず、搬入車両は大型車可の場合)

注意点として、大型車(10t車)は入れるのか、周辺道路に規制はかかっているか、施工箇所までの搬入経路の必要性はあるかなど、資機材の搬出入経路の確認が必須となります。

また、資機材の搬出入に伴う近隣住民や施設利用者への安全対策も欠かせません。

コスト面では、既存の路面を改良すれば残土処分量を大幅に減らすことができるので、コストダウン・工期短縮が可能になり、加えて残土処分を抑えることにより、環境に配慮した工事となります。

また、鋤取残土処分せずに既存の路面に新しい材料を上乗せすることで、残土処分を大幅に抑えることも可能です。

搬出入車両が10t車か4t車かによってもコストが変動致します。どうぞお気軽にご相談下さい。

天候に左右される土木工事のため工期の変動等がありますが、しっかりと雨、雪対策を考え、工期内に施工出来るように最善尽くしますので、立地条件、使用条件など様々な要素からご一緒に考査させていただきます。
 
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