Field & Technology 〈技術情報〉

野球場 施工実績一覧  
少年野球、高校野球、草野球。野球は国内で最もポピュラーなスポーツのひとつです。
当然ながら野球場の数は多く、中学校のグラウンドを有用した球場や各市町村の多目的グラウンド・河川敷球場・プロ用の球場とそのニーズも多岐に渡り、目的や利用者の技量により、様々な球場が造られています。

野球場は、他の屋外競技種目に比べて独特の形状のため、大学や私立の学校では専用施設として整備されることが多いのですが、小・中学校や公立高校では校庭の一角に他種目と併用の多目的施設として整備されるケースが一般的です。

野球場を計画する場合は大きく分けて二通りあり、公式の球場(プロ・アマチュア共通)として使用する都市型と一般的なレクリエーション施設として使用する郊外型があります。

私たちは今日まで培った様々な経験を生かし、

(1)ご希望、用途、地域環境を踏まえたグラウンド舗装あるいは舗装断面の提案
(2)雨水排水については計画的なグラウンドの高低計画
(3)また表面排水だけでは不十分になりがちな雨水排水についての計画的な暗渠排水の併設設計
(4)グラウンド維持のための散水設備
(5)そして、ボールが飛びださないための飛球シミュレーションによる防球フェンスやバックネットの設置計画 … etc

このような事前対策を施すことにより、観客はもとより、隣接する校舎や周辺の道路、近隣の保護まで考慮した整備や対策をおこない、プレイヤーにはもちろん管理をされる方々にも理想的な「野球場」を細部に至るまで提案をさせていただきます。
野球場
路面の種類は、基本的に内野はクレイ、人工芝、アンツーカ、外野はクレイ、天然芝、人工芝のそれぞれ3種です。

野球場がその他のスポーツ施設と比較して異質とも言えるのが、内野と外野、またはベース周りで舗装材が異なることです。

施工が多い例としては、以下が挙げられます。

■ 内野:クレイ / 外野:天然芝
■ 内野:クレイ / 外野:ロングパイル人工芝
■ 内野・外野:ロングパイル人工芝(塁周りはアンツーカ)

学校施設では野球場単体施設ではなく、多目的なグラウンドとして利用している施設も少なくないので、その場合は他の競技との兼ね合いから舗装材を分けずに同仕様の舗装材が用いられます。

野球規則には球場の型式の規定はないため、敷地の地形や利用目的によって施工計画をおこないます。

また、野球場が他の施設と異なる点で問題となるのが「ファールボール」です。

弊社では飛球シミュレーションを行うことで、ボールの放物線を描き、場外に出にくい必要な防球ネットの高さを算出いたしますので、ぜひご相談ください。
 
野球場
近年、組織的な大会を目的とする施設では、降雨等の気象条件に左右されないドーム球場が増える傾向にあり、また、より近くで迫力のあるプレーを見られるようにグラウンドと観客席の距離が近くなる円弧を有する扇型の球場にしたりという球場が増えています。

また、米国では本塁から二塁に向かう方向が東北東である球場が多いことに対して、日本では南向きに作っている球場が多いことが特徴として挙げられます。

米国では午後のデーゲーム時に内野スタンドの大部分が日陰となるため、観戦者が直射日光に当たらずに野球を観戦することが出来るという観戦者への配慮に対し、日本では午後のデーゲーム時に守備に就く選手の視野に太陽が入らないようにという選手への配慮のためです。

日本では教育の一環として使用する場合が多々あるため、興行面重視の米国とは異なる設計をする球場が多いのが特徴です。

このように、野球場といっても特性や設置環境など型式は多様であり、それぞれの目的によって設計段階から特徴があります。

新しいものはやがては旧くなるもの。でも、いつまでも「またあの施設で観戦したい、プレーしたい、一度は行ってみたい」と思っていただけるような施設を常に提供したいと考えています。
 
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